2024-07-05

2024年ケベック州産メープルシロップは2億3900万ポンドと
記録的に高い収穫量を獲得

2024年5月30日、ドゥルモンヴィル、ケベック発：

ケベック州産メープルシロップの記録的な収穫量について、カナダのドゥルモンヴィルで行われたケベック・メープルシロップ生産者協会（QMSP）の年次総会で発表されました。今年のシュガーブッシュ（砂糖カエデの森）で費やした努力により、協会の第三者研究機関であるGroupe AGÉCOによる電話調査でまとめられた2024年の公式の数値で、収穫の総重量が2億3900万ポンド、平均生産量はタップ1つあたり4.47ポンド、総額は約7.5億ドルにものぼりました。

「量だけでなく品質もすばらしいものだった」とリュック・ゴーレ会長はいいます。そして「特に喜ばしいのは、他の農作物部門と同様、これが、昨年の不作は言うまでもなく、私たち生産者が、高い原材料費と金利に直面しながら、それを乗り越えて収穫したものだということです。これでまた国内外からの高まる需要に応えることができます。」と続けました。
ケベック州で生産されるメープルシロップの85％は輸出向けです。

QMSP戦略的備蓄プログラムへの新たな課題

昨年の不作により、グローバル戦略で備蓄されているメープルシロップの在庫を活用せざるを得なくなり、その結果、備蓄量は2008年以来の最低水準にまで減少しました。今年の豊作により、消費者の需要を十分に満たすことができ、数百万ポンドのメープルシロップの余剰分を倉庫に補充できるとQMSPは見込んでいます。しかし、これは売れ残った在庫の資金をどう調達するかという新たな課題も引き起こします。

「2000年の創設以来、生産者は毎年、生産量の一部を戦略的に備蓄しておくことが求められています。これにより、不足（昨年）や余剰（今年）にかかわらず、一定の供給が確保され、毎年価格が安定します。誰もが得をするのです」。

「しかし、それにはコストがかかります。生産者にとっての問題は、在庫として保管されたメープルシロップが売れるまでその対価が支払われず、財政的負担を負わなければならないということです。さらに、気候変動が生産の変動をさらに大きくしています。これが、私たちが政府に協力を求め、この独自で効果的な備蓄戦略への資金面での支援を必要とする理由です」とゴーレ氏は述べています。

昨年、生産の変動と在庫の急激な減少、さらには増加し続ける需要が相まって、世界中で「メープルシロップ不足」が話題となりました。QMSPは潜在的な危機に直面し、2021年と2023年にタップ(蛇口)の割り当てを追加することで対応しました。新規および既存の生産者に認められた1400万のタップのうち、650万がすでに稼働していて年間平均容量は約2000万ポンドのシロップ生産能力に相当し、今年の記録的な収穫に貢献しています。2023年の残りの割り当ては2026年4月1日までに設置されなければなりません。

QMSPメンバー、ゴーレ氏を次期2年間の任期に再選

リュック・ゴーレ氏は、ケベック州メープルシロップ生産者協会の会長としての2期目を迎えました。
彼は組織の進歩と、公共および私有の森林でメープル産業を守るための闘いに満足していると述べています。しかし、まだ苦闘は続いていて、数多くの協議が具体的な政府の対応につながっていないと述べています。「私たち生産者は、公共の森林をもっとメープルの生産に活用し、生物多様性を保護する能力をサポートする必要性を声高に訴えています。州政府天然資源・森林大臣のマイテ・ブランシェット・ヴェジナ氏も、現状は、もはや持続可能ではないと述べています。さらに一歩進んで公共の森林管理の小さな革命が必要です。メープルの森が力強く健康であることは、私たち全員にとって、切り倒されるよりもはるかに価値のあることなのです」。

今年の生産統計データを作成したGroupe AGÉCOの電話調査は、2024年4月22日から5月7日までの期間にケベック州のすべてのメープル生産地域で、規模の異なる1,234のメープル事業者を対象に行われました。その精度は20回中19回、±3.4%です。