カナダのケベック州から、豊かなメープルの贈り物 美味しく、実用的で、環境にも有益!!


 カナダのメープルシロップ産業を代表するケベック・メープル製品生産者協会(カナダ・ケベック州)は、2016年2月にAGECOグループが発表した、ケベックのメープル樹林(シュガーブッシュ)には12以上の生態系の財と公益的機能があるという研究結果を公表しました。ケベックのシュガーブッシュは、美味しいメープル製品を生み出す場所とみなされていますが、最近では、計り知れない価値、生態系の財と公益的機能を有しているという新しい点が注目されています。この公共の財産、貴重な環境資本が提供する生態系の財と公益的機能は、年間約10億カナダドル(日本円で約830億円※)の貨幣価値に相当すると推定されます。未開拓のまだ樹液が採取されていないメープル資源を考慮すると、その貨幣価値は少なくとも年間27億カナダドル(日本円で約2241億円※)になります。

 本研究は、メープルからうまれる生態系の公益的機能が有益、かつ人間の福利に必要不可欠であり、ほとんどの場合、人工的なもので代用できないとしています。ケベック・メープル製品生産者協会(FPAQ)の会長セルジュ・ボーリュー氏は、「いま樹液が採取されているシュガーブッシュが、ケベックの農地や農業活動の保護に関する法律によって守られ、まだ採取されていないメープル樹林がもたらす経済効果も考えれば、政府によるシュガーブッシュの保護はもっともなことです。皆さんがケベックのメープル製品を買えば買うほど、ケベックのメープル樹林の保護や生態系の公益的機能に貢献し、そこから恩恵を受けることができるのです」と述べています。

メープル樹林の保護の必要性に対する消費者の関心の高まり

 その素晴らしい味、栄養価、そして甘味料としての可能性のために、多くの人がメープルを選んでいます。信頼のおける、環境にやさしい製品に対するトレンドは高まっています。毎年、ケベックの330万以上の世帯でメープルが使用されています。主な輸出先のアメリカや日本を加えると、その数は6200万世帯にものぼります。この高い需要が、ケベックのメープルを守る手助けになっています。消費者に、自分のチョイスがプラスの効果をもたらしているということを敏感に感じてもらうことが重要です。「もし近い将来、一家に一人の割合で、朝のコーヒーに入れる砂糖がメープルシロップもしくはメープルシュガーに代わったら、ケベックのメープル生産者と潜在的メープル生産者の需要が増えるでしょう。未来の世代の幸せのためにも、広大なメープルの樹林は守られなければならないのです」と、FPAQのプロモーション・イノベーション・マーケティング部門ディレクター、ジュヌヴィエーヴ・ベラン氏は主張します。

環境から文化まで、ケベックのシュガーブッシュが生み出すメリット

 この研究結果によると、メープルの樹林は共同体の福利に貢献する12の生態系の公益的機能をもたらしており、そのうち9つについてはその価値がみとめられています。これらは、国際的に認められた手法により以下の3分野に分けられます

1. 調整機能

地元地域や全地球規模の両面において、人々の暮らしやすい状況を維持する生態系に作用する物質的機能をさします。有名な例は、土壌からの水のろ過や、腐食や気候変動対策です。この分野においてのみでさえ、現在、樹液が採取されているケベックのシュガーブッシュは、ケベックの温室効果ガス排出量の1.2%(2012年の基準において)を排除しています。それは自動車29万台分、ケベック州の全自動車の9%にあたる年間の炭素量に相当します。もし、未採取のメープル樹林も加えれば、メープルによる炭素の排除量は自動車77万台分、ケベック州の全自動車の25%に相当し、3.3%の温室効果ガスに相当します。ケベックで樹液が採取されているシュガーブッシュによってもたらされるこの調整機能の経済効果は、総額で7億4800万カナダドル(日本円で約620億円※)になります。また、未採取のメープル樹林を考慮すると、その額は19億カナダドル(日本円で約1577億円※)になります。

2. 供給機能

メープルの樹林から個人にもたらされる、直接の作用や物質的なものをさします。この分野には、食物(メープル製品、キノコ、ベリー、食用の草木)、医薬品(朝鮮人参など)や装飾物(花や木材、繊維)があります。この分野の経済効果は、現在メープルの樹液が採取されているシュガーブッシュからのもので年間2億300万カナダドル(日本円で約168億円※)、未採取のメープル樹林からの資源を加えると年間5億2千万カナダドル(日本円で約431億円)となります。

3. 文化的機能

非物質的なメリットをさします。この無形の財産は、娯楽(生態系に関連したレジャーや観光事業)や美学、教育や伝統や文化全般に関連する文化的価値のような、ケベック文化の中で重要な役割を担っています。この機能の経済効果は、現在メープルの樹液が採取されているシュガーブッシュだけで年間1億2700万カナダドル(日本円で約105億円※)、全メープル樹林で考えると年間3億2600万カナダドル(日本円で約270億円※)になります。

AGECOグループについて

 本研究は、食糧部門に特化した、企業の責任と経済研究を専門とするコンサルタント会社、AGECOグループによるものです。「ケベックのシュガーブッシュに関する生態系の財と公益的機能の評価」と題した本研究は、ケベックのメープルに代表される、現在と未来における自然資本へのより良い見解を述べています。「生態系の財と公益的機能の評価は、世界中でますます採用されている革新的で新しいアプローチです。私たちが使用したメソッドは、国際的科学者コミュニティに認められています。当たり前だと取られがちな価値、自然そのものの機能に、貨幣価値を当てはめて考えます。それをケベックにおいてメープル製品分野に取り入れたFPAQは、その利用法の先駆者です」と、AGECOグループの共同経営者であり共同研究者のジーン・ピエール・レベレット氏は述べています。

生態系の財と公益的機能の評価について

 この研究で提示された生態系の公益的機能の証明、生態系の財と公益的機能の価値は、ミレニアム生態系評価(MEA)の革新的アプローチを基本にしています。ミレニアム生態系評価は、2001年に国際連合によって、50カ国1350人以上の専門家の参加により始まりました(http://www.millenniumassessment.org/)。さらに2007年、G8の環境大臣ら、生態系と生物多様性の経済学(TEBB)(http://www.teebweb.org/)による国際的なイニシアチブにおける取り組みにより強化されました。それからは、天然資産のより詳細な管理のための政策決定時に、生態系の公益的機能の価値をはかるため、市政機関、政府、NGO、企業といった団体から多く利用されています。

 カナダ産のメープルシロップは、大地の恵みをたっぷり吸い上げたカエデの樹液を煮つめただけの100%天然の食品です。種々のビタミン、ミネラルのほか、63種類のポリフェノールなど有益な成分をたくさん含んでいます。メープルシロップは、デザートはもちろん、肉、魚、野菜、飲み物、ソースの調味料としても大活躍。砂糖やはちみつの代わりに使うと、まろやかな風味と深いコクが加わります。

ケベック・メープル製品生産者協会 概要
Federation of Quebec Maple Syrup Producers (FPAQ)

ケベック・メープル製品生産者協会(FPAQ)は、1966年に設立された約7,300のメープル製品生産企業を代表する団体です。会員企業の経済的、社会的、精神的利益の保護と促進をミッションとし、各会員は共同でメープル製品全体の品質維持、知識の向上、そして国内外での市場活動を行っています。ケベック州は、世界のメープルシロップ生産量の約71%、カナダ産メープルシロップの90%を生産しています。ケベック・メープル製品生産者協会は、カナダ産メープルシロップ産業全体を代表して、科学研究活動など国際的なイノベーションネットワークをリードしていることを誇りとしています。カナダ産メープル製品の10%はオンタリオ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州で生産されています。

日本公式ホームページ:http://www.pure-maple.com (日本語)
日本公式Facebook:https://www.facebook.com/puremaple(日本語)
カナダ公式ホームページ: http://www.siropderable.ca (仏語・英語)/http://www.ilovemaple.ca (消費者向け、仏語・英語)

※1カナダドル=83円で計算

プレスリリース(PDF)はこちらをご覧ください。

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