最新の研究成果

“スーパーフード”の有力候補 — カナダ産メープルシロップメープルシロップ1品でベリー類、緑茶、赤ワイン、亜麻仁の健康効果を持つ可能性(2011年4月)

東京発—2011年4月4日
カエデの樹液のみでつくられた純正メープルシロップカエデの樹液のみでつくられた純正メープルシロップに関するロードアイランド大学(University of Rhode Island 米国・ロードアイランド州)の研究により、前回発表された数の約2倍にあたる54種類のカナダ産メープルシロップ特有のポリフェノールが特定されました。そしてこれらのポリフェノールに抗酸化作用と、健康に有益な効果をもたらす可能性があることが明らかになりました。これまでの試験管レベルの実験において、メープルシロップに含まれる成分に抗癌および抗炎症作用が見られました。これに加え、今回の初期研究により、メープルシロップに含まれる成分が2型糖尿病管理に関わる酵素を阻害する可能性が示唆されました。

これらの発見は、2011年3月30日、カリフォルニア州アナハイムで開催されたアメリカ化学会(the American Chemical Society)の総会中、天然甘味料の生物活性化合物に関する検証セッションで発表されました。このセッションは、ロードアイランド大学薬学助教授であり、メープルシロップ研究チームの主要科学者メンバーであるナヴィンドラ・シーラム博士(Dr. Navindra Seeram)が主宰し、議長を務めました。

ロードアイランド大学の研究チームによると、メープルシロップには多種多様なポリフェノールが含まれています。そのいくつかには抗酸化作用があり、またその多くには有効性が立証されている健康効果があることもわかっています。シーラム博士は次のように述べています。「メープルシロップには、幅広い種類のポリフェノールが含まれていることが判明しました。メープルに含まれるこれらの有効成分の中には、例えばベリー類や緑茶、赤ワイン、亜麻仁に含まれる成分もあります。メープルシロップは、有効成分が何でも揃う言わば“百貨店”であると言えるでしょう。全ての甘味料が同じという訳ではありません。甘味料を選ぶなら、純正メープルシロップを選ぶのがより良い選択だと言えるでしょう。他の甘味料には含まれない抗酸化成分を幅広く摂取できるからです。」

メープルシロップは、臨床実験でのさらなる検証が必要ですが、2型糖尿病管理にも関連する可能性があることが判明しました。シーラム博士は次のように説明しています。「メープルシロップに含まれるポリフェノールは、炭水化物が糖質に変換される際に関わる酵素を阻害することが明らかになりました。実際、予備実験において、メープルシロップの酵素阻害効果は、ベリー類など健康効果を持つ他の植物性食品よりも高い、という結果が乾燥重量テストによって得られました。米国では、2050年までに3人に1人がこの病気を患うと言われています。以前にも増して多くの人々がより健康的な食生活を求める昨今において、メープルシロップ中の抗糖尿病成分の発見は、科学界および消費者にとって興味深い事実です。」

メープルシロップに含まれる54種類のポリフェノールのうち、5種類が新規の天然成分、かつメープルシロップ特有の成分として特定されました。今回初めて発見された5種類の新規成分の中でも特に興味深いのは、カエデの樹液を煮詰める過程で作り出されるポリフェノールです。このポリフェノールは、ケベック州にちなんで「ケベッコール(Quebecol)」と名付けられました。シーラム博士は次のように述べています。「今回発見されたこれらの新規成分が、メープルシロップの健康効果に寄与しているかどうかはまだ分かっていません。しかし、すでに健康上の効果が立証されている成分が、ある一定量、様々な種類に渡って含まれていることが判明しています。このことから、メープルシロップは“スーパーフード”と呼ぶにふさわしい食品だと言えるでしょう。」シーラム博士の研究結果は「ジャーナル・オブ・ファンクショナル・フーズ(the Journal of Functional Foods)」で先頃発表されました。ロードアイランド大学でのシーラム博士の研究は、ケベック・メープル製品生産者協会、ケベック農業開発評議会 (CDAQ)およびカナダ農務・農産食品省 (AAFC) が、カナダのメープルシロップ産業を代表し、資金のサポートを行うことで実現しました。

アメリカ化学会総会では、他のカナダ人研究者によるメープルシロップの健康効果に関する有望な研究結果も発表されました。ラヴァル大学植物科学学部教授で学内園芸研究センター(CRH)のメンバーであるイヴ・デジャルダン博士は、メープルシロップとカエデ樹液に特別な興味を示しています。デジャルダン博士は、研究によりこれらが、健康効果の期待できる有望な植物ホルモンであるアブシシン酸を高いレベルで含有していることを解明しました。アブシシン酸には、筋肉の糖吸収を促進する効果に加え、膵臓細胞からのインスリン放出を促進し脂肪細胞の対インスリン感度を高める効果があるので、メタボリック症候群や糖尿病に対する有効な武器となります。

当協会会長であり、カナダメープルシロップ産業諮問委員会の役員であるセルジュ・ボリュー(Serge Beaulieu)は次のように述べています。「私たちは、“New Generation of Maple 2020”という戦略の一環として、メープルシロップに関するさらなる事実を発見し皆様と共有できるよう、才能ある研究者達と共に研究を進めています。この一連の研究に世界中の注目が集まることに胸が弾む思いです。」同協会マーケティングディレクターのジュヌヴィエーヴ・ベラン(Geneviève Béland)は「メープルシロップは、純粋なカエデの樹液のみで作られる最も重要な食品です。その健康への驚くべき可能性と高い栄養価を考えれば、メープルシロップは健康的な生活を送るための自然な選択となるでしょう」と続けました。世界の約80%のメープルシロップは同協会に加盟している生産者によって生産されています。


 

研究支援

ロードアイランド大学における研究は、ケベック・メープル製品生産者協会、カナダ農務・農産食品省およびケベック農業開発評議会からの財政援助によるものです。ケベック農業開発評議会(CDAQ)からの資金は、カナダ農務・農産食品省のカナダ農務・農産食品推進プログラム(ACAAF)から援助を受けています。カナダ農務・農産食品省は、“Growing Canadian Agri-Innovations”プログラムを通じて、カナダ産メープルシロップの研究への財政支援を実現しています。

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