最新の研究成果

世界的シンポジウムにおける数々の知見から、ピュアメープルの成分が運動中のエネルギー源として、有効で、スポーツドリンクに匹敵することが判明(2019年4月)

世界中から、科学者が2019年3月31日にオーランドに集結、カナダ産メープル成分の予備実験の結果を共有するためのシンポジウム「メープル食品の化学的および生物学的影響/Chemistry and Biological Effects of Maple Food Products」に参加しました。この一連の研究はケベック・メープルシロップ生産者協会(QMSP)の資金援助により行われてきたものです。
今回のシンポジウムにおいて知見を共有できたことは、運動時の持久力に対する他、メタボリック・シンドローム(代謝障害)や炎症など健康や病気に関連する問題に、メープルがもてる好ましい影響力の研究を今後ますます広げる支えとなりました。炎症とは、体のいくつかの部分に影響を及ぼし、健康障害を悪化させるか悪化させる可能性がある状態のことです。

この種の第2回目となる国際シンポジウムは、オーランドで開催された世界最大の科学学会、アメリカ化学会総会・展示会の中で開催されました。
同シンポジウムでは、モントリオール大学の研究チームが、18歳から45歳の趣味や競技として、スポーツに真剣に取り組んでいる76人の男性を対象に、メープルシロップとメープルウォーターの運動時における影響力を調べた結果を発表しました。これは初のヒト介入試験です。この研究が重要なのは、運動が健康増進に役立つということだけでなく、長時間運動した被験者に、メープル成分がどのようにして、有効なエネルギー源となりえたかを実際に示したことです。

ナヴィンドラ・シーラム博士の主宰で開催された、このシンポジウムでは、数々のプレゼンテーションで、学術界の人々や研究者達がエキサイティングな発見を共有しました。博士はかつて、アメリカ化学会農業食品化学部門の議長で、現在は、ロードアイランド大学の生物医学・薬学科の教授です。
 

シンポジウムのハイライト

運動パフォーマンス

モントリオール大学の研究チームは、メープルウォーターかメープルシロップを含んだドリンクが長時間の運動時に、エネルギーの供給源となりうると発表しました。これは、2時間のサイクリング中の炭水化物の同位体標識によるガス交換と採血、それに20kmのタイムトライアルで測定されました。その結果、メープルウォーターかシロップを含んだドリンクは、市販のスポーツドリンク(60g/L)に含まれるものと同等の炭水化物を含むことが示され、持久力を要求される運動のエネルギー源として有効でありうることが判明しました。

また、メープルウォーターとメープルシロップの希釈液の運動時の官能特性(酸味と甘みを含む)が、市販のスポーツドリンクと比較されました。その結果、「メープルシロップは市販のスポーツドリンクに比べて酸味が少ないということが示されました。これは、多くの被験者が評価した点でもあります。またアスリートが喜び、より飲みたがる天然物を使用することは、運動中の水分バランスを維持する鍵となります」と、モントリオール大学、運動生理学運動科学部の准教授、ジョナサン・トレンブレイ博士は語りました。

メープルシロップは主にショ糖を含みます。ショ糖は吸収されやすく、筋肉の働きにも寄与します(i)。このように、希釈したメープルシロップは、運動中のエネルギー供給を増やすことを助ける代替品といえます。精製糖を一切含まない、ピュアメープルシロップで作られたスポーツドリンクは、グルテンフリーでヴィーガン(完全菜食)、そしていかなる着色料も添加物も使われていません。「メープルドリンクは市販のドリンクの卓越した代替品です」と、トレンブレイ博士は結論づけました。
 

炎症

ロードアイランド大学薬学科教授、アンジェラ・スリット博士とそのチームは、メープルシロップのポリフェノール抽出物(MSX)が炎症を抑制し、食事による体重の増加とインスリン感受性に好影響を与える可能性を、そしてラットの実験で、炎症の促進が緩和されたことを発表しました。

炎症は健全な免疫反応の一部です。しかしながら、炎症を見過ごし、放っておくと、組織損傷の一因となり、いくつかの病理現象と結びついていきます。慢性炎症を防ぎ、戦うことを補佐するいくつかの方法があります。それはポリフェノールを豊富に含んだ食品を摂ることと運動をするよう習慣づけることです(ii)。 ポリフェノールを含んだ食品、たとえば、カナダ産メープルシロップ、緑茶、赤ワイン、果物そして野菜などは、健全な免疫システムをサポートするために有益であると言えます。さらに、メープルシロップにもともと多く含まれている、ある種の生物活性化合物は、炎症の影響から身体を守ることができます。
 

メタボリック・シンドローム(代謝障害)

国際シンポジウムで公開された、もう一つのエキサイティングな一例は、いろいろな自然甘味料が肥満と関係の深い、メタボリック・シンドロームに長期間にもたらす好影響です。ケベックのラバル大学、栄養、機能性食品研究所・科学部長、アンドレ・マレッテ博士の率いるチームによる研究で、高脂肪食を8週間与えたラットがメープルシロップ、アガペ、糖蜜を含む天然糖を摂取した場合、一般にテーブルシュガーと呼ばれる、ショ糖の摂取と比較して、血中インスリンレベルがより低くなることを発見しました。さらにHOMA-IR(インスリン抵抗性の程度を示す指数)による空腹時のインスリン値もより低くなり、天然の甘味料はインスリン抵抗性を減少させるということが分かりました。さらなる研究では、ショ糖をたった10%、メープルシロップに置き換えるだけで、高脂肪、高ショ糖食を与えた肥満ラットのインスリン抵抗性を低下させることを示しました。
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