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カナディアンメープルシロップに関するお知らせ
[2018年4月23日]

メープルシロップの有効成分ポリフェノールが、2型糖尿病や動脈硬化のような合併症発症の抑制に寄与する可能性が明らかに!

 ケベック・メープル製品生産者協会(カナダ、ケベック州)は、メープルシロップの有効成分の健康効果に注目、機能性食品研究の第一人者、東京大学大学院農学生命科学研究科の名誉教授で、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所の食品機能性評価グループリーダーである阿部啓子博士に依頼し、ニュートリゲノミクス(遺伝子の動きを比較し解析する研究方法)(注1)によるメープルシロップの健康効果を食品機能性として評価する研究を行っています。この度、メープルシロップに関する最新の動物実験において、メープルシロップのポリフェノール抽出物(Maple Syrup Extract, MSx)が、2型糖尿病の発症原因となる様々な臓器の炎症を抑制する可能性があることが明らかになりました。
 今回の実験では、肥満を伴う2型糖尿病マウスを、通常の餌を摂るグループとMSxを含む餌を摂るグループの2つに分け、6週間それぞれの餌を与えました。その結果、MSxを含む餌を摂ったマウスの肝臓と白色脂肪組織で、炎症が抑制されることを示唆する遺伝子の動きが見られ、その中に、細菌などの抗原がこれらの臓器中で減少していることを示唆する遺伝子が含まれていました。現在、2型糖尿病の発症原因のひとつとして、腸管バリアの脆弱化により腸内細菌や食事由来の細菌が体内に侵入しやすくなることで、肝臓や白色脂肪組織、腸管など、全身で炎症が引き起こされることが報告されています。このことから、細菌が臓器中で減少していることを示唆する今回の実験結果は、MSxが腸管バリアの脆弱化を抑制している可能性を示すと考えられます。さらに、作用は弱いものの、MSxを含む餌を摂ったマウスの腸内細菌叢からは腸管の炎症が、血中の炎症性サイトカインからは全身の炎症が抑制されていることを示唆する結果も得られました。これらの結果を総合すると、MSxは全身の炎症を抑制し、2型糖尿病の予防に役立つ可能性を持つことがわかります。
 なお、今回の実験では、血中のHDLコレステロールに変化はありませんでしたが、LDLコレステロールがMSxを与えたマウスで有意に低値を示しました。LDLコレステロールは、HDLコレステロールに対して多くなると動脈硬化を促進することから、MSxは糖尿病が原因で引き起こされやすい動脈硬化症の予防に役立つ可能性があることもわかりました。

<用語の説明>
注1:ニュートリゲノミクス(遺伝子の動きを比較・解析する研究方法)
食品の安全性と機能性を、遺伝子の転写量を分析することにより解析する学問です。特定の食品を摂取した際に、動物の体の各組織がどの様に反応するかを解析し、食品生体作用のメカニズムを解明する研究方法です。食品科学を飛躍的に発展させるものとして注目されています。

注2: 1型、2型糖尿病
1型糖尿病:膵臓のβ細胞が壊れて、まったくインスリンが分泌されない状態になります。インスリンを体外から補給しないと生命を維持することができず、生きるためにインスリン注射が欠かせなくなります。
2型糖尿病:遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病します。

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